アレルギーとは
「免疫」とは、体内に入り込んだ、自分とは異なる異物(ウイルスや細菌など)が入ってきたときに、体内に「抗体」がつくられ、排除しようとするしくみの事です。この免疫のしくみが、食べ物や花粉など私たちの体に害を与えない物質に対しても「有害な物質だ!」と過剰に反応してしまい、自分自身を傷つけてしまうのがアレルギー疾患です。
アナフィラキシー・ショック
アナフィラキシーとは、発症後短時間(アレルゲンや患者さんによって差がある)で全身性にアレルギー症状が出ることです。 血圧の低下や意識障害などを引き起こし、場合によっては生命を脅かす危険な状態になることもあります。 食べ物の場合は、胃や腸で消化吸収されるまでに時間がかかるため、症状が出るまで薬物や蜂毒よりは時間がかかることが多いようです。 sick_anaphylaxis「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」は、食物をとるだけでは起こらず、その後運動すると出現するものをいいます。 中学生から青年期に多く、通常、食後4時間以内に運動した場合にみられ、入浴でも起こることがあります。 また、アナフィラキシーは、一度おさまっても再びあらわれることもある為、すぐに病院で診断を受けることが大切です。
アナフィラキシーが起こったら...
1.救急車を呼ぶ
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早ければ早いほど生命の危機を脱出できる可能性が高まります。
すぐに救急車を呼びましょう。
2.アレルギーの原因となるものを取り除く
- 食物の場合〜口の中に残っていれば、すぐに出して水でゆすぐ。すでに飲み込んでしまったものも吐ける場合は吐き出します。
- 原因となる成分に触れることでアレルギー症状が出ている場合〜清潔な流水で洗い、原因となる成分を身体から落とします。
ただし、蜂などに刺されたことが原因の場合は、針に触れることで症状が悪化したり、反対に針を押しこんでしまうこともあるので、針が出ている場合はティッシュやゴム手袋などで直接針に触れないように引っ張り、抜けるかどうか分からない場合は触れない方が良いでしょう。
3.薬の処方を受けている場合
アナフィラキシーの治療法は症状によってことなります。
呼吸器症状には気管支拡張薬、症状が重くなってくると経口副腎皮質ステロイド薬などの内服薬が用いられます。
今までにアナフィラキシーショックを引き起こしたことがある人は、もしもの場合に備えて内服薬や自己注射薬を処方されていることがあります。
異常が見られた場合、処方された薬を、指示に従い、迅速に服用するようにしましょう。 意識が低迷してきたり声や息が出なかったりするときは、アナフィラキシーの補助治療薬であるアドレナリン自己注射を用います。
ショック状態で本人が打てない時は、救急隊員や事前に指導を受けた周囲の人が注射を実施しましょう。
医薬品は一時的な症状緩和が目的
緊急時に服用する内服薬や注射薬は、いずれも症状が重篤になるのを一時的に抑えるためのものです。注射をしたから病院に行かなくても良いということではありませんので、なるべく早く診察を受けるようにしてください。
4.安静な体位を維持する
- 呼吸が苦しいときは上体を少し高くする
頭部だけを高くすると、気道が圧迫されますので、かならず上体全体を高くするようにしてください。 - 吐き気があるときや嘔吐が見られたときは横向きにする
吐き気がある時や嘔吐をしていると時は、吐しゃ物で喉を詰まらせないため、身体を横向きにして寝かせます。 - それ以外の場合
呼吸に問題がなく、吐き気や嘔吐が見られない時は、仰向けに寝かせ、足の下にタオル等を指し込み30センチ位高くするようにします。