10月に入り北海道は秋も深まり、より寒さを感じる日々が続くようになりました。
秋は肌の乾燥も気になる季節です。
そこで今回は小児のアトピー性皮膚炎における保湿剤の使い方のご紹介です。
保湿剤の種類
保湿剤は大きく分けて3種類あります。使用方法と価格帯で使い分けされています。
★ヘパリン類似物質 アトピー性皮膚炎で処方される薬で最も処方されるのがヘパリン類似物質です。 |
★ワセリン ワセリンは刺激感が少なく、皮膚が弱い人にも使いやすいなどの利点が多くあり価格も安いです。 |
★尿素 手足などの角質の厚い皮膚に効果的です。稀にピリピリ感を感じることがあります。 |
保湿剤の使用方法
保湿剤は正しい使い方が出来ていないと効果が十分に得られないこともあるため、正しい使い方をしてお肌の健康を保ちましょう。
小児のアトピー性皮膚炎の場合、すり込んでしまうと痛んでしまったり、炎症を起こしている部分に塗る軟膏の量が少なくなることもあるため、乗せるようなイメージで厚めに塗るといいです。
保湿剤を塗る目安量
画像:第一三共ヘルスケアホームページ
保湿は入浴後がいいの?
保湿剤を使用するタイミングについて、入浴直後と入浴後数時間で保湿効果に差がないことがわかっています。
そのため、入浴後に動き回ってしまう元気なお子さんには寝ている間に塗ってあげるなどの工夫も大切で、お子さんの生活スタイルに合わせて、1日2回の塗布を行ってください。
市販の保湿剤
保湿剤について説明してきましたが、実は問題が起きました。
ヒルドイドが美容にいいという情報が飛び交い、保険適応で処方されているヒルドイドを美容目的で使用する人が増えてしまい、ヒルドイドだけで、医療費として実に60億円の医療費圧迫となったのです。
重篤なアトピー性皮膚炎、皮脂欠乏症など、ヒルドイドが必要な方がいるにもかかわらず、一時は保険処方の対象から外されてしまうか?という問題にまで発展しました。
そこで先発医薬品の会社マルホとコーセーが共同開発を行い、ヒルドイドと同様の作用がある「化粧品」の開発が行われました。それが「カルテヒルドイド」です。ローション、乳液、クリーム、オールインワンといった美容目的の使用が可能な商品として発売が決まりました。
ヒルドイドには保湿効果に加え、血流促進効果もあるため、美容に使いやすいということを活かした商品で、医薬品のヒルドイドとは違い、美容目的にも使いやすいようにべたつきがなく、化粧乗りもいい商品となっています。
詳細については公式ホームページでも情報が載っていますので、興味のある方はご覧になってみてください。
さいごに
小児のアトピー性皮膚炎は治療に長い年月がかかる疾患です。
症状が一度よくなっても再度悪化してしまうこともあります。ご家族の治療の根気強い継続が、カギとなってきます。
一緒に頑張りましょう。